2024.05.02

  • 取り組み

認知症の方とその家族を支える取り組み 風わらう舎

 認知症の方やそのご家族が抱える悩みを介護の専門職に相談でき、家族同士や地域の方との交流ができる「風わらう喫茶」が風わらう舎で始まりました。

地域密着型総合住宅風わらう舎

住所:栃木県小山市小山111-1
電話番号:0285-31-0255

 風わらう喫茶は毎月第3木曜日の13時から15時の開催で、利用は無料。認知症や介護の話題に限らず気軽に話ができる場です。
また、地域の方にもご利用いただき、認知症や介護の知識を伝えることで、「認知症になっても安心して暮らせる地域をつくる」目的もあります。
 この取り組みは、国が10年以上前から認知症カフェ又はオレンジ(おれんじ)カフェという名で全国的に普及を進めており、小山市では風わらう舎で5ヶ所目の設置となります。

施設内の地域交流スペースで風わらう喫茶は開催されます
来訪いただいた方にはお飲み物とお菓子を無料でお出ししています
風わらう喫茶の登り旗が目印です!

どなたでもふらっとお茶を飲みにきてもらえる場所にしたい

 来訪した方の相談に対応するのは風わらう舎の管理者の森嶋敏江さん。平成12年に当法人のデイケアに入職し、平成21年に風わらう舎へと異動してきました。
 風わらう舎は小規模多機能型居宅介護認知症の方が入所するグループホームを提供している介護事業所です。普段認知症ケアに携わる職員が対応することもこの風わらう喫茶の特徴です。また、風わらう喫茶では職員と対面での話だけではなく、ひとつのテーブルに複数の家族が座り交流することで、ご家族同士でしか分からない経験や悩み、情報を互いに共有することができるメリットがあると考えています。

管理者 森嶋敏江さん

 ご利用された方にお話を伺うと、

 ご家族に認知症の症状があり、怒鳴られることが頻繁にあったためしばらく疎遠になっていたそうです。しかし、「避けられていて寂しいとご本人が言っていた」と別のご家族からお聞きし、自分が変わらないといけないと思い、友人に相談したところ、風わらう喫茶の話を聞き今回ご利用に至ったそうです。

 介護に悩む家族はもちろん、近所にお住まいの方でも、誰でもふらっと寄ってお茶を飲みながら休んでもらえるスペースにしたいと森嶋さんは言います。

 実際にご近所を散歩されていた方が「寄っていってもいいの?」と興味を持ってくださり、立ち話ではありましたがご自身の将来への不安を相談する場面も見られました。来月の開催日は是非お立ち寄りくださいね。

 国内の認知症の方は年々増加しており、2025年には高齢者のおよそ5人に1人が認知症になると予測されています。このため、「認知症カフェ」の取り組みは、今後ますます重要性が増してくると考えています。
 認知症の方やご家族の悩みを少しでも和らげ、地域の方にも認知症を正しく理解していただくことで、認知症の方でも住みやすい街づくりを目指していきます。

風わらう喫茶についてはこちら

取材:R6.4