2024.02.07

  • 取り組み

認知症ケアチームの取り組み 石橋総合病院

 認知症とは、いったん正常に発達した知能が脳の器質変化によって機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態のことを言います。日本では高齢者の約4人に1人が認知症とその予備軍であるとされ、その数は今後も増加すると予想されており、誰もがなりうる病気だと言われています。
 石橋総合病院(所在地:栃木県下野市下古山 病院長:三室 淳)では、そんな認知症の方に安心してケアを受けていただけるよう、認知症看護を専門的に学んだ「認知症看護認定看護師」を中心とした「認知症ケアチーム」が活動をしています。

認知症看護認定看護師 金田貴代 主任

 認知症ケアでは、いかに認知症患者さんへの理解を深めることができるかが重要です。認知症の方に現れる症状として、大きく分けて
精神症状(不安、焦燥、妄想など)
行動症状(徘徊、多動、暴言暴力など)
がありますが、これらは全ての認知症患者さんに同じように見られるものではなく、生活環境や周囲の対応の仕方などで現れ方が変化します。つまり、このような症状を出現させないためには、いつ、どこで、どんな時に症状が現れるのかを認知症患者さんごとに理解し、対応を変えていく必要があるのです。そのため認知症ケアチームは、認知症看護認定看護師を中心とした看護師をはじめ、リハビリスタッフ、薬剤師、相談員など、多職種のスタッフが参加し、協働することで、各専門分野の視点を通した認知症患者さんの情報や気づきを、多角的に収集できるよう人員構成されています。

 認知症ケアチームは、情報を集めて共有するだけではなく、より良いケアへと繋げるための模索と実践にも取り組んでいます。例えば「いま何時か」「いまどうしたらいいのか」が分からなくなってしまう、見当識障害が見られる方には、
「朝はしっかり朝日を浴びていただいて時間の感覚を意識していただく。」
「食事は他の時間との区別を付けるために、病室ではなくラウンジに移動していただくのはどうか?」
などと改善策を検討します。そして、このようにして考えられた改善策は、当日中に病棟スタッフにも共有され、即時ケアに活かされていきます。

また認知症ケアチームの活動範囲は机上での打ち合わせに限らず、実際に病棟を見て周って看護環境を確認したり、患者さんと実際に会話を交わしたりすることで、認知症患者さん一人ひとりの状況や思いを少しでも深く理解できるよう努めています。

 認知症のある方に、言ったことが伝わらなかったり、同じ質問を繰り返し聞かれたりすると、ついムッと感じることもあるでしょう。しかし、認知症という病気やその人の人柄、背景を理解することで、「記憶障害によって言われたことを忘れてしまうのかも。気がかりなことが解消されず不安で、質問を繰り返してしまうのかも。」などと、その人の立場を想像することができるようになり、感情的にならずにどうしたら良いかを考えて寄り添うことができます。
 これからも石橋総合病院では、認知症患者さんの思いを傾聴しながら安心した入院生活をお送りいただけるよう、取り組んでまいります。

取材 R5.12