2024.08.24

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レポート!失語症の方やご家族をサポート 失語症会話サロン

 こんにちは!広報の鈴木です。
皆さんは「栃木県小山市」と言えば何を思い浮かべますか?
私は県外出身なのですが、幼少の頃、桜金造さんの「おや~まゆう~えんち~♪」というCMのマネしていたことを覚えているので、小山市と言えば小山ゆうえんちですね。(行ったことはありませんでした)

 現在は、おやまゆうえんハーヴェストウォークという商業施設に変わっていますが、当時のメリーゴーランドは残っていて、平日は無料で乗ることが出来るそうですよ。

さてさて、そんなおやまゆうえんハーヴェストウォークから車で5分ほどの距離にある、通所リハビリテーションヒバリゆかい(リハビリテーション翼の舎病院併設)にて8月4日に「失語症会話サロン」が行われました。当日の様子をお届けしたいと思います!

失語症会話サロンとは…

失語症の悩みを抱える方やそのご家族が集まり、言語聴覚士や意思疎通支援者と一緒にお茶やお菓子を食べながら会話を楽しむ場として、栃木県言語聴覚士会が令和4年より開催している。今回、栃木県南では初めの開催となった。

栃木県言語聴覚士会ホームページ

上手く言葉が出てこない病

 失語症とは、脳血管障害などの病気や事故などによる脳外傷によって、大脳の言語をつかさどる部分が損傷されたために起こる、言語障害のひとつです。

症状は様々で、
・言われたことを理解できない、聞き間違える
・言葉が出てこない、言い間違える
・書いてある文字や文の意味が分からない
・文字が書けない

などが挙げられます。

 失語症になると、日常生活や社会生活上のコミュニケーションにおいて様々な問題に直面します。
そんな同じ悩みを持つ方や、家族同士が集い交流を図ることで、意欲的な活動を目指していくことがこの会の目的です。

 今回は当法人の通所サービスをご利用の方をはじめとする失語症の方が21名。そしてご家族や支援者、言語聴覚士など総勢60名を超える方が集まりました。

会場となった通所リハビリテーションヒバリゆかい。当施設は3階にリハビリテーション病院、2階に介護老人保健施設、1階にデイケアが入る医療と介護の複合施設。合計9人の言語聴覚士が働く。
栃木県言語聴覚士会 佐藤会長 
「失語症会話サロンは県北からスタートして、今年は念願だった県南で開催することができました。皆さんにお会いできて嬉しく思っています。また来たいと思ってもらえるような楽しい会にしたいと思います。」と話があった。

まずは、自己紹介からスタート!

 どんなお話ができるかワクワク!
皆さん初めましての方が多いので、まずは自己紹介から!と言っても失語症を抱えていると、うまく言葉が出ないことも。
そのため、ご自分のことを紙に書き出してそれをヒントにすることもあれば、言語聴覚士や支援者などのスタッフが会話のサポートに入っていくことも。
 それぞれ病歴や現在の悩みを話すことで共感し合い、自然と仲良くなって様子が見られて、距離感が縮まっていくのが分かりました。

自己紹介のヒントカード
自己紹介カードをもとに、ご家族や言語聴覚士がサポートをしながら話が進んでいく。
久しぶりに担当STにお会いできて嬉しそう!

自己紹介後はフリートーク。各テーブルに置かれた箱の中からトークテーマが書かれた紙を取り出し

「やったことのあるスポーツは?」

「今日の朝ごはん何食べましたか?」

「夏の思い出は?」

などお題に沿ったお話をすることもあれば、
お出ししたお菓子を見ながら、

「このお菓子の名前なんだっけ?」「おせんべいよ🍘」「そうそう!よく出てくるねすごい~!」

などなど、どんどん話が盛り上がってしまい、休憩時間になっても話が止まりません!

休憩を挟んだ第2部はご本人とご家族に分かれてお話をしていきました。

「退院したてで、まだコミュニケーションが上手くとれない」

「子どもの受験と親の介護も重なって大変」

など同じ失語症の方の家族であっても、お持ちの悩みはそれぞれ異なります。家族間で親睦を深め、情報共有をされていました。

交流の場が生活の励みになる

 会話後の全体会では、テーブルごとに代表の方に感想を発表してもらいました。

とある参加者の方からは「家では1人か家族としかいないので、こうやって皆さんと話ができることが貴重で良いことだと思いました。生活の励みになるからまた皆さんと話をしたいなと思いました。」との感想をいただきました。

 おおよそ2時間のイベントでしたが、本当にあっという間の時間でした!
終了後には連絡先を交換されている方がいらっしゃり良い交流の場になったなと感じました。

 今回、失語症会話サロンに初めて参加させていただき、失語症の方は見た目では分からないからこそ、周りから理解が得られずに疎外感を感じてしまうのだと知ることができました。

  お話をさせていただいた中でも「誰かに話しかけられた時に言葉が出ないことが怖くて外出が出来ない」「買い物に行っても言葉が出てこないので、何も買えずに帰ってしまった」と悩みが上がっていました。そして失語症の方はヘルプマークを持ち歩いていますが、「持っていても意味を理解している人が周りに少ない」とお話されていたことが印象的でした。

 失語症になり、社会交流の場へ足が遠のいてしまうと、生活への活力やQOLの低下など様々な影響が出てしまうため、今回の会話サロンはとてもいい機会だと思います。

 今回は栃木県言語聴覚士会の主催ではありましたが、今後法人としても失語症を含めた様々な疾患を抱える方やそのご家族を一人にしないための取り組みを行っていけたらと思います。今回ご参加いただいた皆さま、栃木県言語聴覚士会の皆さまありがとうございました!

少しでも興味を持った方はぜひ会話サロンにお越しください!

(掲載写真については、掲載許可をいただいた方のみお顔の掲載をしております。ご協力いただきました皆様に改めて御礼申し上げます。)

この記事を書いたのは…

広報 スズキ
2019年より現職。
東京から栃木に移住。写真や動画を撮ったり、紙物を作ったり、YouTubeの編集したり、お米を作ったり。