2024.09.18
- 取り組み
入院前の自分らしい生活を取り戻すための取り組み リハビリテーション翼の舎病院
友志会リハビリテーション部では、患者さん一人一人の退院後の生活を見据えたその方らしい生活の実現を目指して、
個別性の高いリハビリテーションを提供しており、屋外でのリハビリテーションもその一つです。
今回は、リハビリテーション翼の舎病院で実施している屋外でのリハビリテーションについて紹介します。
屋外歩行訓練
患者さんが屋内でフローリングでの歩行訓練に慣れた頃、屋外での歩行訓練を行うことがあります。
これは、芝生やアスファルトなどの微妙な緩急のある場所での歩行や、雨天時の足を取られやすい状況での歩行など、
多様な環境下でも安全な歩行ができるかの確認や訓練をすることが目的です。
施設の周囲は歩道で囲まれており、施設玄関前の軒下だけでも1往復で70m、外周すると1週460mを歩くことができます。
自転車練習
入院を機に、自動車運転の引退を決意される方が多くいらっしゃいます。
しかし、それにより退院後の移動手段を失ってしまうことも問題です。
そこで、ご希望の方には自転車訓練を行っています。
施設に用意している2輪車、3輪車を使用し、自転車の乗降訓練や運転訓練、
またそれらが安全に行えるかの評価を行い、退院後の生活のサポートに繋げています。
乗降車訓練
退院時はもちろん、その後の生活でも車の乗り降りが必要なシーンは多いでしょう。
この動作に苦手意識があると自然と外出の機会も減り、結果として社会との関わりが希薄になっていってしまうこともあるようです。
そのため、リハビリスタッフと共に実際に車を用いて乗降訓練を行い、安全な乗降の手順とコツの確認や、不安点の解消を行っています。
個々に合わせた運動
入院中の心配事は尽きませんが、中でも「今までの生活はもうできないのか?」というご不安は、
誰もがお抱えになるのではないでしょうか?
そのようなご不安に寄り添い、患者さんが入院前の日常を少しでも多く取り戻せるよう、
今まで取り組まれていた趣味や日課を通したリハビリテーションを行っています。
例えば、日常的にゴルフをなさっていた方に道具をご持参いただき、スイングの練習をしていただいたりしています。
そのほかに、ドラッグストアへ買い物の練習をしに行ったり、近くの公園にキャッチボールをしに行ったりすることもあります。
患者さんの趣味や特技を通したリハビリテーションは楽しみながら取り組んでいただけるほか、
気分転換ができて前向きな気持ちに繋がることも多いようです。
青空ふぁ~む
リハビリスタッフと医師が中心となり、施設の裏庭では家庭菜園が行われています。
土を掘ったり苗を植えたり、自然と触れ合いながら活動量を増やします。
患者さんの中には、リハビリテーションに前向きになれない方や、認知症をお持ちのために訓練がうまく進まない方もいらっしゃいます。
しかし、そのような方も「畑の様子を見に外まで歩いてみようかな」「家庭菜園ならぜひやりたい!」と
外への楽しみがモチベーションとなって、活動量を増やすことができたケースも少なくありません。
入院中は、院内に活動範囲が制約されてしまいますが、患者さんが退院された後は屋外へ出かける機会は多くあります。
だからこそ、院内でのリハビリにとらわれず、可能な限り屋外でもリハビリをすることが心身の改善にとって大切だと考えています。
これからも、患者さん一人一人から病前の生活について聴取しながら、在宅への復帰はもちろん、
その先の社会活動や趣味活動への復帰に至るまでをサポートするリハビリテーションに取り組んでまいります。