2024.09.26
- 取り組み
ご利用者もご家族も安心できる在宅復帰に向けた取り組み 夢彩の舎
介護老人保健施設夢彩の舎では、ご入所されているご利用者の様子をご家族に直接ご覧いただき、
安心して在宅復帰をお迎えいただくための取り組みとして「リハビリ見学」を行っています。
今回はそのリハビリ見学についてご紹介いたします。
ご家族が抱える在宅復帰への不安
介護老人保健施設は在宅復帰を目指してケアを提供する施設ですが、「自宅ではどんな手助けが必要なのか?」
「自分に介護ができるだろうか?」と、ご利用者の在宅復帰を不安に感じるご家族もいらっしゃいます。
また、まだまだ世間が持つ介護施設の印象はポジティブではなく、
「1度施設に入ったら(入るような状態の人は)元の生活には戻れない」と考える方も多く、
そんな方が「介護老人保健施設は在宅復帰を目指す場所だから、ずっとは居られない」と聞いたら、
退所や在宅復帰を前向きに考えることは難しいでしょう。
そのため夢彩の舎では、ご家族に寝返りの打ち方やおむつの当て方などをお伝えする「家族指導」という
介護の練習をする機会を設け、少しでも在宅生活での心配を解消するための取り組みを行ってきました。
そんな中、2020年に新型コロナウイルスの流行がはじまり、全国の医療機関や高齢者施設と同じように
夢彩の舎も面会を中止せざるを得ない状況となりました。
ご家族の不安に寄り添うために
幸いコロナ禍でも、感染対策に留意しながら家族指導を継続することができました。
しかし、家族指導は基本的に退所時期の目途が立ってから行うものなので、
ご利用者の日常が見えないまま退所について考えなければならないご家族の不安を拭うことはできませんでした。
そんな状況の中で考えられたのが「リハビリ見学」です。
リハビリ見学は、「定期的にご家族にお越しいただいてご利用者の状態をご覧いただきながら、
ご利用者とご家族がこれから先にどんな生活を望むのか、目標の共有ができる機会をつくりたい。」という
職員の思いから始まりました。感染対策にご協力いただきながらご家族に施設へお越しいただき、
ご利用者のリハビリの様子をご覧いただくことで、通常の面会よりも分かりやすくご利用者の状態をお伝えできるようになりました。
また、ご利用者の目標への進捗が見えやすいよう、入所時から2~3週間後に初回を、その次は3か月後…と、
定期的に開催することで、お身体の変化を比較しながら在宅復帰後の暮らしをイメージしていただけます。
また、ご家族が抱える「介護老人保健施設」のネガティブな印象を払拭するために、
改めてリハビリ見学の場で施設の役割や、退所後もご利用いただけるサービスなどのご説明をさせていただく取り組みも行っています。
さらに、ご家族から退所に対する具体的なご心配やご不安についてお伺いして、
リハビリスタッフ目線での助言もさせていただいています。
例えばご家族から「トイレ介助が心配」と相談をお受けした場合、介助動作のレクチャーをしたり、
日頃施設でお声がけしているお手洗いのタイミングを共有したりしています。
そのほかにも、ご自宅の環境や生活状況と、ご利用者の身体状況に合った福祉用具の紹介を行ったりと、
ご利用者ご本人にとってもご家族にとっても無理のない介護を提案しています。
ご利用者もご家族も安心できる在宅復帰に向けて
在宅復帰への悩みや不安を抱えているのはご本人だけでなく、ご家族も同様の場合がほとんどです。
これからもご利用者の思いはもちろん、ご家族の思いにも寄り添いながら、
どなたにとっても安心できる在宅復帰を支援してまいります。