2024.11.07

  • 取り組み
  • 医療

職員インタビューNo.1 野木病院新院長 齋藤修

栃木県野木町の野木病院では、10月1日より新院長として齋藤修医師が就任しました。
これに伴い、齋藤院長の腎臓内科医としての豊富な経験を地域医療へと活かすべく、野木病院では新たに腎臓内科が新設されました。
今回は、齋藤院長へのインタビューを通じて、野木病院の今後の展望や、院長の思いをご紹介します。

齋藤 修

前 自治医科大学附属病院 透析部 教授
▪日本内科学会 総合内科専門医・指導医
▪日本腎臓学会 腎臓専門医・指導医・評議員
▪日本透析医学会 透析専門医・指導医
▪日本腎代替療法推進協会 腎代替療法指導医

まずはご経歴を教えてください

埼玉県で生まれ育ち、島根大学を卒業しました。
その後入職した栃木県下野市の自治医科大学附属病院にて腎臓内科の扉を叩き研鑽を積んだのち、
より一層腎臓への造詣を深めるためにアメリカのヴァンダービルト大学で研究に携わりました。
帰国後は自治医科大学で学内教授を経験し、栃木メディカルセンターしもつがの総合健診センターセンター長、
とちのき病院の病院長代理兼務を務めました。

どのような経緯で野木病院の院長に就任しましたか?

一般的に「不健康は不幸」というイメージがありますが、私は腎臓内科医として長年治療に携わるうちに、
むしろ不健康から始まる新たな人生があると考えるようになりました。
栃木県は全国と比べて、平均寿命は短く健康寿命は長いという傾向が強く、病気になってからの寿命が短いことが課題であると感じていました。
そんな中、長年地域包括ケア病棟と透析の提供に取り組む野木病院の院長就任のお話をいただき、
ここでなら自分の専門分野を活かしながら、患者さんが病気になっても幸せを追い求めるサポートができると考えました。

職員の印象は?

皆さんとても優しいです!こんなに優しくしてくれていいのか?ってくらい(笑)
皆さんの献身的な優しさに、私も行動で返さねばと感じています。
それに、判断力がとても高いです。
刻一刻と状況が変化する病棟の中で、私が出したオーダーに対し、
即座に今の状況に適切な代替の提案をしてくださった時には、そのスピード感と正確性に驚きました。

新たに始まった腎臓内科とは?

外来の腎臓内科は、患者さんを透析にしないための科です。
そのためには、食事をはじめとした生活習慣の見直しが必要となるので、長期にわたって患者さんと並走しながら改善に取り組んでまいります。
また、腎臓の病気は高血圧や糖尿病など、他の様々な疾患と切っても切れない関係にあり、
腎臓以外にも病気を抱えていらっしゃる患者さんは少なくありません。
そのため、ほかの科目の医師とも連携しながらトータルでの治療を進めていきます。

医師を志したきっかけは?

中学生の頃、祖母をALS(筋萎縮性側索硬化症)で失ったことがきっかけです。
自分は何もできなかったという悔しさ、無力感から、工業系と考えていた進路を医療に変更しました。

では、腎臓内科を志したきっかけは?

島根大学卒業後に入職した自治医科大学附属病院は、当時では珍しく内科系分野の全ての科目を経験することができ、幅広く学ぶことができました。
様々な科目を経験し、時には医療の限界や、厳しい現実と向き合っていく中で、
腎臓という臓器は機能が絶えてしまっても、医療の力で生命を維持できるという点に、腎臓内科に希望を感じるようになりました。
また先述の通り、腎臓内科は高血圧や糖尿病など、幅広い内科系疾患の知識も必要不可欠であることから、
先輩たちが内科のエキスパートとして活躍する姿が魅力的に思えたこともきっかけです。

齋藤院長にとって理想の医師とは?

勤勉、真面目、努力家…挙げればキリがありませんね。
なので私が実践できる、現実的な医師像でいうと、最後まで責任を持ち続けることができる医師です。
要は寿命の最後まで寄り添い続ける医師ですね。

腎臓内科医として食生活にこだわりはありますか?

日頃、患者さんには塩分の摂り過ぎに気を付けるようお伝えしていますが、私はしょっぱいものが大好きです(笑)
特にラーメンが好きで、野木病院に入職してすぐに近隣で評判の店をネットで探して行ってきました。
スープ?もちろん飲み干しますよ!(笑)
しかしその分、日頃の栄養バランスに気を付けたり、定期的に検査をしたりして、健康に留意しています。

プライベートについて休日はどのようにお過ごしですか?

数年前に靭帯を切ってしまったのですが、それまでは山登りが好きでした。
土曜日の勤務後に1人で山へ向かい、日曜日の早朝から登りだすというような。
最近はスキーが好きなんですがオフシーズンは滑れないので、妻から運動を促されて水泳に行ったりもしています(笑)
あとは妻の提案でよく旅行にも行っています。これは愛知県豊橋市役所で撮った手筒花火の写真です。

最後に野木病院の今後の展望を教えてください

私は、野木病院をご利用の方が少しでも長く健康でお過ごしいただけるよう努力することはもちろん、
病んでしまってからも幸せを感じながら人生を全うしていただけるような医療を提供していきたいです。
また、友志会グループは様々な形態のいくつもの施設が、広い地域の医療と福祉、そして子育てのサービスを提供しています。
その中で野木病院は、歴史ある友志会グループの始まりの施設であり、グループの中核施設と言えます。
私は外来や入院でお越しになられる患者さんはもちろん、グループの他施設をご利用されている方の「いざ」という時にも
安心して頼っていただけるような、そして法人の仲間たちにとって助けになれる存在となれるよう、精進していきたいと考えています。

野木病院 腎臓内科