腎臓内科 Dpt. of Neurology
腎臓内科について
腎臓内科では、尿検査での異常から、透析療法や腎移植が必要な末期腎不全の患者さんまで、腎臓に関わる疾患の検査や治療を行っています。
現在、糖尿病性腎症や腎硬化症といった糖尿病や高血圧などの生活習慣病の進行に伴って腎臓の機能が低下する患者さんが増えています。腎障害又は腎機能の低下が3か月以上続いている状態を慢性腎臓病(CKD)と言い、現在では成人の8人に1人、約1,300万人がCKD患者であると言われています。
腎臓が悪くなって起こる症状は、むくみや倦怠感、貧血、夜間頻尿などがありますが、病気が進行しないと自覚症状がないことがほとんどです。
そのため自覚症状がなくても、健康診断で異常があった場合、早期の受診と治療の開始が望まれます。また、糖尿病や高血圧症では尿蛋白が陽性となると、多様な動脈硬化症の発症頻度が上がることが知られています。
これらの合併症を早期に発見するためには血糖や血圧のみの観察では不十分であり、定期的に尿検査を行い、尿蛋白異常が生じた場合は、日頃のかかりつけの先生と合わせて腎臓内科を受診することが、合併症を早期に治療する上でとても大切です。
当院では、令和6年10月より腎臓内科外来を開設し、腎臓疾患が疑われる患者さんに対して、外来での診療や検査を行っております。この外来では、単に腎疾患を診断治療するだけではなく、高血圧症や糖尿病などの全身疾患に対しても、腎臓を含めた合併症を精査加療していく外来です。また、腎機能が低下している患者さん方には、単に透析を導入するのではなく、保存期腎不全の加療を十分に行い、透析への移行を防ぐことに重点を置いております。勿論、末期腎不全で透析が必要な方には、当院での透析導入や当院透析室での維持透析を行い、透析導入後も元気に日常生活を過ごせるよう治療を行っています。
腎臓内科への受診が望まれるとき
腎臓は初期では自覚症状が殆どない臓器ですので、例え自覚症状がなくても健康診断で異常が出た際は必ず受診するようにしましょう。特に尿蛋白陽性と言われた場合は、なるべく早期に受診されることが治療効果の面からもおすすめです。
尿検査で蛋白が多いと指摘された方
尿の異常は腎臓病の可能性があります。詳しく検査を行うことで正しい診断がつき早期治療につながります。
足や顔のむくみが気になる方
腎機能が低下すると体内の水分や塩分の調整をする働きが上手くいかなくなり、水分がたまってむくみが生じます。特に足と顔がむくみやすく、下肢がむくむと、足の甲が腫れて靴が履きづらくなり、すねや足の甲を指で押しても、くぼみがなかなか戻らないなどの症状が出ます。顔のむくみは朝、目覚めたときにできやすいのが特徴です。
かかりつけの先生から腎機能の異常を指摘された方
かかりつけの先生から尿蛋白陽性や腎機能の低下を指摘された場合には、できるだけ紹介状(診療情報提供書)を作成していただき、腎臓内科外来に受診されることをおすすめします。このような場合は、日頃のかかりつけの先生の外来はそのまま継続して頂き、状態が安定していれば腎臓内科外来には3ヵ月から6ヵ月に1回の受診で診療することが可能です。具体的には日頃はかかりつけの先生に診てもらいながら、時々眼科の先生にも診てもらうようなイメージで、腎臓内科外来にも年数回の受診となります。
腎機能低下を指摘された方
腎機能低下を指摘された場合、血圧や血糖の管理だけでは腎機能低下を抑制することが困難になってきます。塩分やカロリー以外にも腎機能を保持する食事療法などを行っていきます。また、腎不全になると腎機能以外にも貧血や心機能、骨密度など多岐に渡る臓器障害が発症してきます。これらを放置すると末期腎不全だけではなく、多くの臓器障害が治療困難になってしまいます。透析になるのを恐れるあまりに受診を控えることは、むしろ腎不全を悪化させ腎臓以外の臓器障害も引き起こす可能性がありますので、腎機能低下を指摘された場合はできるだけ早く腎臓内科外来を受診することをおすすめします。
末期腎不全に対する腎代替療法について
腎臓の働きが正常の10%以下になると腎臓から尿がうまく作れなくなり、体の外に十分に水分や毒素を出せない『尿毒症』になります。
尿毒症は腎臓だけではなく、他の臓器にも腎不全による障害が顕著となり、放置してしまうと死に至る極めて危険な状態です。そのような状況を避けるため、重度の尿毒症に陥る前に腎代替療法を行う必要があります。腎代替療法には血液透析、腹膜透析、腎移植の3種類の方法があります。これらの治療方法のいずれを選択していくのかなど、当院では患者さん毎に、最良の腎代替方法が選択できるよう、腎代替透析療法専門指導士が療法選択に対する十分な説明と、腎移植医への紹介も含め治療計画の立案を行なってまいります。
透析療法治療中の方
当院では併設の透析室での外来のみならず、患者さんの状態に合わせ入院血液透析も行っております。また、花の舎病院や関連施設との連携により患者さんの状態に合わせた血液透析を療養の面からもサポートし、透析開始後の治療、療養体制にも十分対応できるよう尽力しております。
担当医師
院長 齋藤 修
前自治医科大学附属病院 透析部 教授
■日本内科学会 総合内科専門医・指導医
■日本腎臓学会 腎臓専門医・指導医・評議員
■日本透析医学会 透析専門医・指導医
■日本腎代替療法医療推進協会 腎代替療法専門指導士
腎臓内科 外来担当医表
受付時間 | 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | 土曜 |
午前8:30~12:00 |
齋藤 修 | – | – | – | – | – |
午後2:00~5:00 | – | – | – | 齋藤 修※ | – | – |
※第1木曜日は午後3時30分で受付終了