病院長あいさつ
病院長あいさつ

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野木病院 院長 齋藤修

前 自治医科大学附属病院 透析部 教授
▪日本内科学会 総合内科専門医・指導医
▪日本腎臓学会 腎臓専門医・指導医・評議員
▪日本透析医学会 透析専門医・指導医
▪日本腎代替療法推進協会 腎代替療法指導医

 この度、 麦原匡史先生の後任として10月1日より院長職を拝命しました齋藤 修(さいとう おさむ)と申します。 

 皆様も既に御存知のこととは思いますが、栃木県は全国と比べ平均寿命が短い県です。しかし、その一方で、健康寿命は長いことが知られています。また、県民所得は他県に比べ高く全国ベスト10に入りながら、平均寿命は全国ワースト10を抜け出せないという不思議な特徴を持った県でもあります。これはつまり、元気に高齢まで働いて、ある日、ひとつ大きな病気を契機に早く亡くなってしまう傾向が強い地域であることを表しています。病気になってからの寿命、つまり「不健康寿命」が短いということは、一見、悪くないことのように思えますが、これは「無病息災」の期間が長いのに「一病息災」でいられる期間が短いことを表しており、栃木県の医療が克服すべき大きな課題のひとつだと私は考えております。

 一般的には「不健康は不幸」というイメージに繋がってしまいますが、腎不全や透析治療に長く従事してきた私には、不健康=不幸では決してないと信じております。腎不全医療は、腎臓という臓器を失いながらも生命を維持して人生を全うする長期に及ぶ治療です。闘病の苦労はありますが、その対価として、家族や周囲の人々とともに、様々な幸せを分かち合う時間を獲得することが出来ます。

 平均寿命が短い一方で、健康寿命が長い栃木県においては、「不健康で長く生きること」に対する意義をともすれば見失いがちであります。しかしながら、不健康な状態でも幸せに人生を全うする多くの患者から「不健康は不幸ではない」ことを私は学んで参りました。「病んでも幸せに人生を全うする」、この教えを腎不全医療に限らず地域医療全般にも波及させることが野木病院院長としての私の第一義と考えております。

 不健康になってからも、皆様と手を携え一緒に幸せを目指していく医療機関となるべく今後とも野木病院は邁進していく所存であります。引き続き地域の皆様方からの変わらぬ御指導、御教示を心よりお願い申し上げます。

得意分野

腎臓病学、透析導入、透析合併症、長時間透析、腹膜透析、腎性骨代謝異常、疫学調査、医学教育、医療安全

経歴

平成3年3月島根大学 医学部 卒業
同4月自治医科大学内科 研修医
平成6年4月自治医科大学内科学部門 腎臓内科講座 臨床助手
平成12年9月アメリカ合衆国ヴァンダービルト大学腎臓内科学部門 リサーチ・フェロー
平成15年9月自治医科大学内科学部門 腎臓内科講座 病院助手
平成18年9月自治医科大学内科学部門 腎臓内科講座 講師
平成19年10月自治医科大学内科学部門 腎臓内科講座 特命准教授
平成23年4月自治医科大学慢性腎臓病病態 寄付講座 学内准教授
平成27年5月自治医科大学附属病院 透析部 学内教授
令和5年4月とちぎメディカルセンター しもつが総合健診センター センター長
同9月とちのき病院 病院長代理 兼務
令和6年10月医療法人社団友志会 野木病院 病院長