友志会グループ透析室(野木・古河エリア)

知っておきたい透析のこと

目次

腎臓(じんぞう)とは?

腎臓は背中側の腰のあたり、背骨を挟んで左右にひとつずつあります。
形はソラマメ状で、大きさは握りこぶし大です。

腎臓は血液をろ過して不要になった老廃物などを尿として体の外へ捨て、体に必要なものは再吸収します。体の「ろ過装置」の役割をもつ腎臓があるおかげで、私たちは体の中の環境を正常に保つことができるのです。
さらにこの他にも、血圧を調整・強い骨を作る・血液を作る働きを助けるなど、人間が生きていく上でなくてはならない大事な役割を担っています。

腎機能の低下

様々な要因がありますが、高血圧、糖尿病、脂質異常症の生活習慣病は腎機能を低下させる因子となります。
腎臓は機能が低下すると、むくみ・倦怠感・貧血・尿の異常・息苦しさなどの症状が出てきます。しかし、自覚症状はかなり症状が進んでから出ることが多いことから腎臓は肝臓とともに「沈黙の臓器」と呼ばれています。
腎機能低下が3カ月以上持続している状態を慢性腎臓病と言います。

透析の開始

腎機能が正常の10%以下に低下すると、尿から老廃物や水分が適切に排泄されなくなり、体に有害なものが溜まっていきます。
ですので、老廃物や余分な水分の除去を人工的に行う必要があります。それが透析療法です。
慢性腎臓病に対する透析治療を一度始めると、永続的に治療を要します。透析治療には血液透析と腹膜透析の2種類があります。

血液透析

腎臓の代わりに人工腎臓のフィルター(ダイアライザー)を介して、血液から老廃物や余分な水分を取り除き、浄化された血液を体内に戻す治療です。毎分約200mlの血液を循環させる必要があります。
1回の治療に約4~5時間かかり、それを週3回(月・水・金曜日、または火・木・土曜日)行います。

野木病院透析室とリハビリテーション花の舎病院透析センターではこの血液透析治療を行っています。

  • 週3回の通院が必要
  • 1回の治療にかかる時間は4~5時間
  • 血液透析を行うに「シャント」という動脈と静脈をつなぎ合わせて血管を太く丈夫にしたものを腕に作る手術が必要
  • 治療中はベッドやチェアーで過ごし、テレビを見たり、読書をしたりゆっくり過ごすことができる

腹膜透析

自分の体の腹膜を透析膜として使用する方法です。
腹膜は胃や腸などの臓器を覆っている薄い膜で、表面に毛細血管が網の目のように分布しています。 おなかの中に管(カテーテル)を通して透析液を入れておくと、血液中の老廃物や不要な尿毒素、電解質などが透析液の中に移動します。 また、透析液と血液の浸透圧の差で体の余分な水分を除去します。
血液透析と異なり、手動で透析液の注入・排出を行うCAPD(連続携行式腹膜透析)であれば1回30分を1日4~5回、夜間に機械を使って自動的に透析液の注入・排出を行うAPD(自動腹膜透析)であれば夜間に1日1度行います。透析はご自宅でご自身やご家族が行います。ので病院に通うのは月に1~2回で済みます。

腹膜透析の方が通院の回数も減り、体への負担も少なく済みますが、自分で行うことでの難しさや、カテーテルの皮膚から出ている部分を清潔に保ち、感染症を防ぐことが大切であること。そもそも腹膜透析に対応している病院が少ないことから日本国内では圧倒的に血液透析を行う患者さんが多くなっています。

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