2024.07.29

  • 取り組み

退院したら終わりではない 患者さんのその後を共有する取り組み 友志会リハビリテーション部

 栃木県小山市のリハビリテーション翼の舎病院は同一建物内に、介護老人保健施設とデイケア施設が併設する医療と介護の複合施設です。

翼の舎病院/介護老人保健施設空の舎ホームページ

翼の舎病院/介護老人保健施設空の舎ホームページ

 翼の舎病院の入院期間を経て、自宅退院となった患者さんは通所リハビリテーションヒバリゆかい(施設1階)に通うことで、身体機能の維持向上を図り、その人らしい生活を目指すためのリハビリを受けることができます。

また、翼の舎病院の退院時期を迎えても自宅退院が困難な患者さんは、介護老人保健施設 空の舎(施設2階)へ入所し、引き続きリハビリを受けながら在宅復帰を目指すことができます。施設内には居宅介護支援事業所も併設しており、多職種のスタッフがひとつになり、患者さんの在宅復帰・社会復帰をサポートしています。

 リハビリを担当するセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)においては、翼の舎病院を退院された患者さんが、空の舎とヒバリゆかいを利用し、どのような変化をしているか、月に1度行われる症例検討会にて共有をしています。

空の舎・ヒバリゆかいのセラピストが、自分が引き継いだ際の患者さんの課題と、それを改善するためにどのようなアプローチをおこなったか、その結果現在どのような状態であるかを発表する。




 今回の症例は、翼の舎病院を退院後、空の舎に入所され、在宅復帰後にヒバリゆかいを利用されている男性。退院時の移動は、車いす自走が自立だったものの、退院4カ月時点で「歩きたい」と希望があったため、バランス向上のための立位、歩行練習を実施。また、ご自宅へ訪問し、過介助にならないような介助歩行のアドバイスや歩行練習とトイレ動作を確認し動作の定着が図れるようにしました。症例報告会では歩行の状態を撮影した動画を流し、現状の様子を確認しました。

 そしてバランス向上や転倒リスクを下げられるような環境調整を行うこと、ご家族に協力していただいたことで介助量の軽減につながったと報告がありました。

 友志会リハビリテーション部の入職1年目のセラピストは、回復期病院に配属され、2年目以降はジョブローテーションで急性期、回復期、生活期のリハビリを学んでいくことになります。1年目の生活期リハビリを経験していない若いセラピストも、この症例検討会を通して回復期から生活期の流れの中で、患者さんがどのように変化していくかを知ることができます。

また、自分たちが行ってきたリハビリを振り返り、回復期で残った患者さんの課題を空の舎でどのように解消していったかを理解することで、次の患者さんへのリハビリに活かしていくことがこの症例検討会の目的の一つです。

 翼の舎病院、空の舎、ヒバリゆかいの理念はAll is Oneです。多職種が協働しながら医療から介護へとシームレスにつないでいき、患者さん利用者が住み慣れた地域で暮らしていけるようにサポートしていきます。 

(取材 友志会鈴木 R6.7) 


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